国連ニュースや政治記事で頻繁に登場する単語 「veto」。
「拒否権」と訳されることが多いですが、その裏には “政策や提案を止める強い決定権” というニュアンスがあります。
この記事では、「veto」の意味から、実際の使われ方、さらに ban・reject などの類義語との違いまでわかりやすく整理します。
目次
基本的な意味
vetoは「拒否権」「拒否すること」を意味する名詞および動詞です。
他者の提案や決定を公式に拒否し、実行を止める力を表します。
発音: /ˈviː.toʊ/ または /ˈveɪ.toʊ/
語源と由来
「veto」はラテン語の動詞「veto(私は禁ずる)」に由来します。
古代ローマの執政官が議会の決定を拒否できる権利から生まれた言葉です。
この歴史的背景から「権力を持って決定を覆す行為」という意味が定着しました。
反対語
approve: 承認する、許可する
- The president approved the bill.
(大統領は法案を承認した)
主な使用場面
vetoは政治だけでなく、企業の意思決定でも使われます。
特に「重要な決定を止めたいとき」や「反対意見を強調するとき」に使われる表現です。
以下に代表的な使用例を紹介します。
1. 政治・国際関係
The president vetoed the new law.
(大統領は新しい法律に拒否権を行使した)
The UN Security Council members have the power to veto resolutions.
(国連安全保障理事会のメンバーは決議案に拒否権を持っている)
2. ビジネス・組織内の意思決定
The CEO vetoed the proposed budget cuts.
(CEOは提案された予算削減案を拒否した)
Board members can veto certain decisions.
(取締役は特定の決定に拒否権を行使できる)
類義語との比較
「veto」と似た意味を持つ単語と比較して違いを理解しましょう。
1. veto vs reject
reject: 提案や要求を「単に断る」
- He rejected the offer.
(彼はその提案を断った)
veto: 公式な権限で「拒否権を行使する」
- The governor vetoed the bill.
(知事は法案に拒否権を行使した)
2. veto vs deny
deny: 何かの事実や要求を「否定する」
- She denied the accusation.
(彼女はその告発を否定した)
veto: 決定や提案を「拒否して通させない」
- The committee vetoed the proposal.
(委員会は提案を拒否した)
3. veto vs overrule
overrule: 判決や意見を「覆す・無効にする」
- The judge overruled the objection.
(裁判官は異議を却下した)
veto: 主に「権限を持って拒否する」
- The president vetoed the bill passed by Congress.
(大統領は議会で可決された法案に拒否権を行使した)
使い方のポイント
1. 公式な権限を持つ場合に使う
vetoは通常、権限を持った人や組織が使う言葉です。
The mayor has the power to veto city council decisions.
(市長は市議会の決定に拒否権を持っている)
2. 拒否の強さを示す
単なる反対以上に「決定を止める強い力」を表します。
She vetoed the plan, so it won't move forward.
(彼女が拒否したので、その計画は進まない)
3. 名詞・動詞両方で使える
vetoは名詞でも動詞でも使え、両方の形で覚えると便利です。
They used their veto to block the proposal.
(彼らは提案を阻止するために拒否権を使った)
The president vetoed the law last week.
(大統領は先週、その法律に拒否権を行使した)
まとめ
「veto」は重要な決定や提案を公式に拒否し、実行を止める権利や行為を指します。
政治やビジネスの場面でよく使われ、単なる「断る」よりも強い意味を持ちます。
類義語との違いを理解し、適切に使い分けることで、英語表現がより正確で自然になるはずです!