“signature” は、もともとは「署名」「サイン」を意味する単語ですが、現代英語ではそれ以外にもさまざまな使い方があります。
特にレストランや商品、サービスの紹介などでは「看板メニュー」「代表的な〜」という意味で広く使われています。
この記事では、“signature” の多様な意味と使い方、そして飲食やビジネスの場面での活用法を具体例とともに詳しく解説します。
目次
基本的な意味と使い方
1. 原義:「署名」「サイン」
最も基本的な意味は、自分の名前を手書きで書いたもの、いわゆる「サイン」です。
書類や契約書に使われます。
例文:
- Please put your signature at the bottom of the form.
(この用紙の下部に署名をお願いします)
この場合の類語は autograph(著名人のサイン)や sign(サインする動作)ですが、“signature” は最もフォーマルで文書的な印象を持ちます。
2. 派生的な意味:「特徴的なもの」「看板の」「代名詞的な」
最近よく使われるのがこの意味です。
ある人・店・ブランドを象徴する代表的な料理や商品、特徴を指す表現として使われます。
例文:
- This is our signature dish, grilled wagyu with miso sauce.
(こちらが当店自慢の一品、和牛の味噌ソースグリルです) - Her signature style is bold colors and oversized accessories.
(彼女の代名詞的なスタイルは、鮮やかな色と大ぶりのアクセサリーです) - The company is launching a new product that reflects its signature values.
(その会社は、自社の特色ある価値観を反映した新商品を発売する)
この使い方では、「象徴的な」「一目でそれとわかる」といった意味合いがあり、ブランドイメージや差別化を強調するときに効果的です。
飲食業界での “signature” の使われ方
レストランやカフェでは、「signature dish」「signature drink」などの形で使われ、店の代表料理や人気メニューを指します。
例文:
- Our signature dessert is the matcha lava cake.
(当店の看板デザートは抹茶のフォンダンショコラです) - This cocktail is our bartender’s signature creation.
(このカクテルはバーテンダーのオリジナル看板メニューです)
この表現を使うことで、ただの人気メニュー以上に「この店にしかない特別な一品」という印象を与えることができます。
類義語との違いと使い分け
表現 | 意味 | ニュアンス・使い方 |
---|---|---|
signature | 看板の、代名詞的な、象徴的な | その人・店・ブランドを象徴する代表的なもの。 |
specialty | 専門・得意分野・名物料理 | 特に得意としていることや、自慢の品。伝統的要素も含む。 |
featured | 特集の、目玉の、今月のおすすめ | 一時的・注目されているものに使われる。季節限定にも。 |
flagship | 主力製品・代表ブランド | 企業やブランドの中心的・主力的な商品に使われる。よりビジネス寄り。 |
類語の例文比較
- signature:
This is our signature pasta made with truffle oil.
(こちらはトリュフオイルで仕上げた当店自慢のパスタです) - specialty:
Seafood paella is our house specialty.
(シーフードパエリアは当店の名物料理です) - featured:
The featured dessert this month is mango panna cotta.
(今月のおすすめデザートはマンゴーのパンナコッタです) - flagship:
This is our flagship product in the skincare line.
(これが当社のスキンケアシリーズの主力商品です)
signature を使った他の場面での活用例
“signature” は、食やファッションに限らず、ビジネスやマーケティングでも活用されています。
- signature move(お決まりの動き)
The wrestler finished with his signature move.
(そのレスラーはお決まりの技で勝負を決めた) - signature sound(特徴的な音)
The band has a signature sound that fans instantly recognize.
(そのバンドにはファンがすぐに分かる独自の音がある) - signature scent(定番の香り)
She wears her signature scent every day.
(彼女は毎日お気に入りの香りを身にまとっている)
このように、“signature” は「個性・特色・独自性」が際立つ対象によく使われます。
まとめ
“signature” は、単なる「署名」だけでなく、「特徴的なもの」「自慢の一品」「ブランドを象徴するもの」など、様々なシーンで使える非常に便利な英語表現です。
- 飲食:signature dish / drink / dessert(店の看板メニュー)
- ファッション・個人の特徴:signature style / look / scent
- ビジネス:signature product / move / values
類語の “specialty” や “featured” と使い分けることで、より伝えたいニュアンスを正確に表現できます。
特に接客や商品紹介の場面では、“signature” を使うことで、「特別感」「オリジナリティ」「店ならではの魅力」を自然にアピールできます。
英語での表現の幅を広げたい方にとって、覚えておきたいキーワードのひとつです。