日本の飲食店では「セットメニュー」や「コンボメニュー」という表現をよく目にしますが、英語ではこの2つの使い分けに微妙な違いがあります。
どちらも「複数の品をまとめたお得なメニュー」を意味しますが、使われるシーンやニュアンスに違いがあります。
この記事では、“set” と “combo” の意味と違いを、飲食メニューの文脈を中心に、豊富な具体例とともにわかりやすく解説します。
目次
“set” の意味と使い方:日本語の「定食」に近い
“set” は「あらかじめ決められた構成の食事セット」を意味します。
主にアジア圏(特に日本や韓国など)の飲食店で多く使われ、西洋のレストランよりも、定食スタイルやコースに近い内容が特徴です。
特徴
- 内容があらかじめ決まっている
- 和食・中華・韓国料理などに多い
- フォーマルまたは整った印象を与える
例文
- Today's lunch set includes grilled salmon, rice, miso soup, and pickles.
(本日の日替わりセットは焼き鮭、ご飯、味噌汁、漬物です) - You can choose the curry set with salad and a drink.
(サラダとドリンクがついたカレーセットを選べます) - The sushi set comes with 8 pieces and miso soup.
(寿司セットは8貫と味噌汁付きです)
このように、“set” は定番の組み合わせというニュアンスを持ち、形式や整い具合を感じさせる言葉です。
“combo” の意味と使い方:ファストフードやアメリカ文化で多用
“combo”(=combination meal)は、自由度が高く、主にファストフード店などで使われる用語です。
ハンバーガー、フライドポテト、ドリンクなどを「一括で注文しやすくした「組み合わせメニュー」に使われます。
特徴
- カジュアルでアメリカ英語で特に頻出
- 好みに応じて内容が変更可能なことが多い
- ファストフード、カフェ、映画館などの軽食に多い
例文
- I'll have the number 2 combo with fries and a Coke.
(2番のコンボ、ポテトとコーラでお願いします) - Our burger combo includes fries and a soft drink.
(当店のバーガーコンボにはポテトとソフトドリンクが付きます) - Would you like to upgrade your combo to a large size?
(コンボをラージサイズにアップグレードしますか?)
“combo” は「セットメニュー」という意味でもありますが、よりカジュアルで柔軟性のある組み合わせを想定しています。
“set” と “combo” の違いまとめ
setとcombo の違いは下記のとおりです。
項目 | set | combo |
---|---|---|
主な使われ方 | 和食・定食・あらかじめ決まった料理 | ファストフード・自由度のある組合せ |
ニュアンス | フォーマル、整っている | カジュアル、選べる、アメリカ的 |
登場する飲食形態 | 日本料理店、カフェ、定食屋 | ファストフード店、映画館、フードコート |
内容の自由度 | 低め(固定) | 高め(選択肢があることも多い) |
類似表現との使い分け
- meal set:より丁寧に言いたいときの set の言い換え。旅行ガイドなどでよく見られる。
- combo meal:セットメニューの中でも combo に近い意味。レジ横のメニュー表に多い。
- value set:お得なセットを表す表現。特に価格訴求に使われる。
“set” と “combo”の使い分けのポイント
- 定食・和食・ランチセット → “set” を使う
例:teishoku set, lunch set, breakfast set - バーガーやピザなどのファストフード → “combo” を使う
例:burger combo, pizza combo, drink combo - 観光地・ホテルなどの英語表記 → “set” も “combo” もありうるが、料理の形式で選ぶのが無難
まとめ
“set” と “combo” はどちらも「セットメニュー」の意味を持ちますが、
- “set” は内容が固定された定食スタイルで、ややフォーマル・整った印象
- “combo” はファストフード的で、カジュアルかつ柔軟性のあるメニュー
という違いがあります。
レストランの業態や提供する料理のスタイルに合わせて適切な表現を使い分けましょう!
観光客向けの英語メニューを作る場合にも、このニュアンスの違いを押さえておくと信頼感のある表現ができますよ!