“on the house” は、飲食店やバーなどでよく使われる英語表現。
「お店からのサービスで無料提供されるもの」「料金がかからないもの」を意味します。
日本語で言えば「サービスで」「お店のおごりで」といった表現に近く、顧客に対する好意や特別対応を示すときに使われます。
この記事では、“on the house” の意味と使い方、類似表現との違い、そして実際の接客や会話で使える具体例を交えて詳しく解説します。
基本的な意味と使い方
意味:「お店のサービスで」「無料で」
“on the house” は直訳すると「この家(店)の負担で」という意味で、店側が料金を取らずに提供するものを指します。
主に飲食物の無料提供時に使われます。
例文:
- The dessert is on the house.
(デザートはサービスです) - Your first drink is on the house tonight.
(今夜は最初のドリンクがサービスです) - The manager offered the coffee on the house for the inconvenience.
(ご迷惑をおかけしたお詫びとして、コーヒーは無料で提供されました)
使われる場面の特徴
“on the house” は「店側が顧客に感謝やお詫びの気持ちを示したいとき」に使われます。
たとえば、料理の提供が遅れてしまった場合や、常連客に特別な対応をしたいとき、あるいはちょっとした心づけとしてドリンクやデザートを無料で提供する際に使われます。
「お店のおごりで提供しますよ」「今回は特別に無料で」といったニュアンスを含み、フレンドリーで、気の利いたサービス精神を感じさせる言い回しとして非常に効果的です。
また、形式ばらず自然な英語表現なので、カジュアルなレストランやバーから、少し格式のあるダイニングまで幅広いシーンで使うことができます。
お客様に「歓迎されている」「大切にされている」という印象を与えたい場面で、特に活躍するフレーズです。
類義語・関連表現との違いと使い分け
表現 | 意味 | ニュアンス・使い分け |
---|---|---|
on the house | 無料で(店の厚意で) | 店側からのサービス。感謝・お詫び・常連対応に最適 |
complimentary | 無料の(フォーマル) | ビジネスやホテルで使われる丁寧な言い方。印刷物や案内に多い |
free of charge | 無料で | 最も直接的な言い方。請求に関わる文脈でよく使う |
courtesy of the house | お店の厚意での提供 | より丁寧な表現。“on the house”の上位互換的な言い方 |
no charge | 料金はかかりません | 会計・レシート・伝票などに記載されることが多い |
類語の例文比較
- on the house:
The bartender gave us a round of shots on the house.
(バーテンダーがショットを一杯、サービスで出してくれた) - complimentary:
A complimentary breakfast is included with your stay.
(宿泊には無料の朝食がついています) - free of charge:
Repairs are provided free of charge within the warranty period.
(保証期間中の修理は無料です) - courtesy of the house:
Please enjoy this drink, courtesy of the house.
(このドリンクはお店の厚意でご提供いたします) - no charge:
The extra side dish is no charge today.
(本日は追加のおかずは無料です)
注意点
“on the house” はカジュアルで親しみやすい表現ですが、ビジネス文書や契約書などの正式な場面では避けるのが無難です。
そのような場合は “complimentary” や “free of charge” を使うのが適切です。
また、請求書や明細などでは “no charge” という表現が好まれます。
気をつけたいポイントとして、この表現はあくまでスタッフや店側が自発的に使うものであり、顧客が「on the house?」と尋ねるのは失礼にあたることがあるので注意しましょう。
あくまでも「サービスとして提供されるもの」であることを意識して使うのがマナーです。
まとめ
“on the house” は飲食店やサービス業で顧客に好印象を与える「サービスです」「無料です」を意味するカジュアルで使いやすい英語表現です。
- 店側が感謝やお詫び、特別感を伝えるときに使う
- 類語との使い分けで表現の幅が広がる(例:“complimentary”はフォーマルに)
- 飲食やホスピタリティの現場では、使いどころが明確で便利な言い回し
“on the house” を自然に使いこなせば、英語での接客やおもてなしの表現力がぐっとアップします。
接客の質を上げたい人や、海外でのサービス業経験を積みたい人にとって是非覚えておきたいフレーズですね!